【税理士監修】ふるさと納税で確定申告は必要・不要?還付の確認方法・やり方
ふるさと納税で翌年税金から控除を受けるには、必ず申請をしなければいけません。
申請方法には確定申告とワンストップ特例制度の2種類があります。
今回は確定申告が必要な人はどんな人?いつまでにすればいいの?
またふるさと納税で自治体に寄付をした後、仮に確定申告を忘れた場合、本当に所得税や住民税が返ってくるの?
など、ふるさと納税での確定申告のギモンにお答えします!
目次
そもそもふるさと納税で確定申告って必須なの?
確定申告とは、年末調整で控除ができないときに国から還付を受けるために行う手続きです。
この代表例として医療費の控除や住宅ローンの控除がよく知られていますが、ふるさと納税も、原則自分で確定申告をしないと翌年の控除が受けられません。
ワンストップ特例制度という申請方法が使える場合は確定申告は不要となりますが、ワンストップ特例制度の申請を期限までに忘れた場合や、使える条件にあてはまらない人は確定申告が必要です。
ポイント
ふるさと納税には申請が必要!その方法には①ワンストップ特例制度と②確定申告の二つがある
ふるさと納税は以下のような仕組みになっており、確定申告もしくはワンストップ特例申請を行わなければ控除が受けられません。
ふるさと納税で確定申告が不要な人
ふるさと納税で確定申告が不要な人(ワンストップ特例制度を利用できる人)は、下記の条件に当てはまる人になります。
※一つだけ、ではなく全てに当てはまる必要あり
1.会社に勤める方
2.年間の収入が2000万円より低い
3.普段から確定申告する義務なし(住宅ローンや医療控除がない)
4.給与を2箇所以上から受け取っていない
5.5箇所を超える自治体に寄付をしていない
6.「寄附金税額控除に係る申告特例申請書」でワンストップ特例を申請した
もし、上記一つでも当てはまらない項目がある方はふるさと納税で確定申告をする必要があるので注意してください。
ポイント
自分が条件に当てはまるかチェックしてみましょう
確定申告とワンストップ特例制度それぞれの流れは以下の画像を参照ください。
会社員はワンストップ特例制度が便利
先ほどの条件に全て当てはまる場合には、ワンストップ特例制度が便利です。
ワンストップ特例制度とは、確定申告を行わなくても、自治体に書類を送付するだけで控除の手続きが完了する制度です。
自治体から送られてくる書類、またはポータルサイトから印刷した書類に必要事項を記入し(既にほとんどの項目が埋めてくれている自治体もあります)、マイナンバーカードや、マイナンバー通知カードと身分証明書、などのコピーを添付し、自治体へ送る形になります。
こちらの書類は寄付する都度、自治体に送る必要があるので、寄付数の少ない方に向いているかもしれません。
また、納税した年の翌年1月10日までに必ず自治体へ送る必要があるので注意です。
簡単に手続きが済むので、ワンストップ特例制度を使える人は必ず申請を行いましょう。
ポイント
ワンストップ特例制度を使える人は使った方が簡単でおすすめです。ただ期限に注意!
ワンストップ特例制度についての詳細は、以下記事で解説しています。
確定申告が必要な人の時期や期限、方法
先ほどの条件に一つでも当てはまらない方は確定申告をする必要があります。
もし確定申告をしなかった場合、ふるさと納税により発生する還付金が返ってこない可能性があるので、くれぐれも注意してくださいね。確定申告手続き全体の流れは以下の図を参照ください。
確定申告をする時期と期限
ふるさと納税を行った翌年の2月から3月が確定申告をする時期になります。
通例で確定申告の期限は毎年3月15日が最終期限となっています。
3月15日までに所定の申告書を税務署に提出する必要があります。
確定申告の方法
書面作成に必要な書類の準備
確定申告書に添付する以下の書類が必要になります。事前に用意しましょう。
■寄附金受領証明書
多くは返礼品と一緒に、中には先に自治体から送られてきます。必ず取っておきましょう。
■給与所得の源泉徴収票
勤務先から配布されます。
確定申告書作成の3つの方法
ふるさと納税における確定申告の方法は3つに分かれます。
いずれで行ってもOKなので自分にあった方法を選択してください。
1.直接税務署の窓口にいき、所定の申告書を提出
2.国税庁のサイトから申告書をダウンロードし郵送で申告書を送る
3.国税庁のサイト(e-tax)からインターネットで申告を行う
特に3のe-taxからが簡単でオススメです。
ポイント
確定申告にも期限があるので要注意!必要な書類をチェックして、期日までにやりやすい方法で申請しましょう
確定申告を忘れた!期限を過ぎた場合
確定申告を忘れたらふるさと納税をしたお金は一生還付されないの??
いえ、安心してください。
確定申告は5年以内に行えばちゃんとお金が還ってきます。
もし申請期限の3月15日に間に合わなかった場合は、翌日以降にでも申請すればOKです。
ポイント
期限を過ぎても5年以内に申請すればお金が戻ってきますが、還付時期が遅くなります
確定申告後、お金が還付される時期
所得税の還付
大体確定申告をした翌月か翌々月に所得税から還付が行われます。
2ヶ月経っても還付が行われない場合は、3ヶ月目以降に行われる可能性があります。
確定申告書に記載した口座に振り込まれます。
住民税の還付(控除)
住民税は6月以降に還付(控除)が行われます。
6月以降に会社から渡される住民税支払通知書に記載があるので確認してみてください。
※ワンストップ特例制度を利用した場合は、上記の所得税の還付がない分、住民税から一括で控除されます。
ポイント
所得税は確定申告の2~3か月後に口座振り込み、住民税は6月以降住民税支払通知書から引かれていることが確認できます
控除上限額(限度額)シミュレーションを活用しよう
お得に寄付するには、自分の年収や家族構成から導き出される控除上限額(限度額)を調べる必要があります。
限度額の計算は複雑で難しいので、ふるさと納税サイトなどのシミュレーションページを利用するのがおすすめ。
給与収入額と家族構成を入れるだけでふるさと納税の限度額がわかるので、さっそく試算してみてくださいね。
限度額についてもう少し詳しく知りたい方は、以下の記事をご覧ください。計算方法など詳しく解説しています。
監修者
監修:坂根正哉
focAs会計事務所&労務事務所 代表税理士、資格の学校TAC 非常勤講師(税理士試験 法人税法)
2010年に明治大学を卒業。TAC株式会社に非常勤講師として入社し、二足の草鞋で都内の税理士事務所に勤務。2013年に税理士試験合格。2017年に開業税理士として登録。現在は、クラウド会計に特化した会計&労務事務所を東京と福岡の2拠点で展開している。